独自の練習、息子のため転居も…ヤクルト・山田哲人を育てた父は警察官

プロ野球ヤクルト山田哲人の父、知規さん(兵庫県警生活安全部生活経済課)=15日午後、神戸市中央区(沢野貴信撮影) 
プロ野球ヤクルト山田哲人の父、知規さん(兵庫県警生活安全部生活経済課)=15日午後、神戸市中央区(沢野貴信撮影) 

 プロ野球レギュラーシーズンでトリプルスリー(打率3割、本塁打30本、30盗塁)を達成してセ・リーグ優勝の立役者となった選手を育てたのは、野球経験のない警察官の父親だった。東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手(23)の父、知規(とものり)さん(57)は兵庫県警生活経済課に勤務。忙しい仕事の合間を見つけては練習や試合に付き合い、成長を陰で支えてきた。走攻守でチームを引っ張る息子に、「シーズンの勢いのまま突き進んでほしい」とエールを送る。

 知規さんが県警豊岡署(現・豊岡南署)で勤務していた平成4年、哲人選手が生まれた。幼いころから運動神経は抜群。水泳や空手、体操などあらゆるスポーツに親しみ、少年サッカー大会で得点王になったこともあったという。

 野球との出会いは小学2年。転勤で移り住んだ同県宝塚市で硬式野球チームに入ると、瞬く間に主力に成長した。息子の成長スピードに可能性を感じた知規さんは、練習や試合に必ず足を運んだ。《プロ野球選手になって、2000本安打達成》。哲人選手は小学校の文集に夢を書いた。

 知規さん自身は、武術の高校チャンピオンになったことがあるものの野球経験はゼロ。それでも「バッティングには瞬発力が必要」と、バドミントンのシャトルを近距離から投げてバットで打ち返させる独自のトレーニングを、毎日のように繰り返した。

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