大阪商工会議所の「大阪インバウンド促進に向けた研究会」は20日、792軒あるとする旅館業法に基づく大阪市内の宿泊施設が、実態は690軒だったとの分析結果を発表した。このうち訪日外国人を積極的に受け入れるのは半分以下の313軒といい、東京五輪が開催される平成32年には「全く足りなくなる」と指摘した。
同研究会は、観光関連業者や大学教授などで大商が6月に設置。訪日外国人受け入れで、特に優先される宿泊施設不足などの課題について改善策をまとめた。
同研究会によると、7月9日現在で旅館業法に基づいて登録されている宿泊施設は大阪市内で792軒だが、1軒の施設が重複登録されるなどしており実態は690軒だった。690軒のうち4割はラブホテルだったことも判明したいう。
外国人客の増加で大阪府内の宿泊施設の稼働率は80%を超え、国内出張者の宿泊先の確保も困難になっていると指摘。五輪開催の際には外国人宿泊者数はさらに増えると見込んだ。
同研究会は、市有地を宿泊施設用に企業へ貸し出すなどの活用策や、オフィスビルからホテルへの転用を容易にする財政支援を提言。シングルルームの割合などを規制する大阪市条例を緩和し、客室定員を増やしやすくすることも求めた。