日本たばこ産業(JT)がイランのたばこ大手アリヤンを買収していたことが19日、分かった。国内市場が縮小する中、海外事業の拡大を進めるのが狙いだ。経済成長が期待できるイランの事業を強化する。
JTの現地法人による買収手続きは9月14日に完了した。買収額は非公表。
JTは2002年にイランに進出。「ウインストン」など高価格帯の商品を中心に展開し、同国でのシェアは首位。10年設立のアリヤンは低価格帯の紙巻きたばこに強みがあり、同国5位のシェアを持つ。JTの推計では、同国のたばこ販売量は年間約470億本で、増加傾向にある。
JTは今年9月に米たばこ大手レイノルズ・アメリカンの有力銘柄「ナチュラル・アメリカン・スピリット」の事業買収を発表するなど、積極的なM&A(企業の合併・買収)を進めている。