浪速風

「鉄人」「アニキ」そして「名監督」

「鉄人」の異名をとった金本知憲さんといえば世界記録の1492試合連続フルイニング出場である。「けがをしていても、それを言わなければけがではない」。死球を受けて左手首を骨折しながら次の試合を欠場せず、右手一本、鬼の形相でヒットを打った。「あの時だけは記録のために出た」

▶引退会見で最も誇りに思うものに日本記録の1002打席連続無併殺を挙げた。「粘って粘って後ろにつなぐ。それが習ってきた野球」。21年間の現役生活を通して、チームのための全力プレーがモットーだった。「アニキ」は背中で後輩に手本を見せた。監督にとってこれほど頼りになる選手はいない。

▶自身が阪神タイガースの監督になる。新旧交代の過渡期で、ファンは金本2世を育ててくれることを待望する。「名選手、名監督ならず」とよく言われるが、野村克也さんによれば、技術的には一流でも、一流の人間でなければリーダーにそぐわない。金本新監督に期待する。