九州電力の川内原発2号機(鹿児島県)が再稼働した。11月中旬にも本格的な営業運転に入る。8月の川内1号機に続く稼働再開で、九州など西日本地域の電力供給体制の改善につながる。
四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)でも林幹雄経済産業相が近く地元を訪問し、運転再開に理解を求める。立地自治体の信頼に応えるため、電力会社はトラブル防止に全力を挙げてほしい。
問題なのは、原子力規制委員会による安全審査が大幅に遅れているため、審査に合格した原発は川内を含めて5基にとどまることだ。これでは安定的な電力供給は確立されず、値上がりした電気代の低下も期待できまい。
安倍晋三政権は規制委に効率的な審査を促すなど、再稼働の加速にもっと力を入れるべきだ。それが経済再生にも資することの説明も十分ではない。
川内2号機の再稼働は、平成23年9月に定期検査で運転を停止して以来、約4年ぶりとなる。川内1、2号機は昨年9月、全国の原発で初めて、規制委から新規制基準を満たすと認められていた。