病と生きる

プロスケーター・鈴木明子さんが「摂食障害」克服したきっかけは… 一時は160cm32kgに

 8月には体重が32キロにまで減りました。疲れやすく、脂肪がないのでいつも寒気を感じていました。

 スケートの練習もできず、焦りが募りました。シニア初のグランプリシリーズになるはずだったスケートカナダも辞退するしかありませんでした。

 体重は一向に増えず、医師からは「30キロまで落ちたら入院しかない」。入院を拒む私の姿に母は、「この子から、生きる目標を奪ってはいけない」と思ったようでした。「まず、食べられるものから、食べよう」と言ってくれました。食事を取るという普通の生活ができず、劣等感と自己嫌悪しかなかった私を母が受け入れてくれた。これが回復のきっかけになりました。

 少しずつ食欲が出て、10月には仙台に戻ると、長久保先生が「絶対にできる」と励ましてくれました。病院で栄養指導を受け、11月頃に氷の上に戻りました。

 その年が明け、学生選手権に出場しましたが、久しぶりの試合で怖くなり、母に電話をしました。すると、「氷の上に立てることに感謝して滑ったらいいんじゃない」。五輪など緊張する大舞台でも「滑れるだけで本当に幸せ」と思って演技できたのは、このときの母の言葉があったからです。

 数カ月後、ファンの方のホームページを通じて摂食障害を明かしました。やせた姿から「病気じゃないのか」などと噂が流れていたので、きちんと説明したかったんです。

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