「戦う公取」新たな武器 減額求め訴訟増の懸念も カルテル課徴金に「裁量型」

 裁量型課徴金制度は、導入が実現すれば平成17年の独占禁止法改正以来の大きな改革となる。「戦う公正取引委員会」を後押しすることで、消費者らが不当な価格で財物を買わされることを防ぎ、市場秩序の向上に効果を発揮すると期待される。一方、公取委に強い裁量権を与えることで「課徴金額を不服とした企業による訴訟が増加し、行政コスト増につながる」などの懸念もある。経済界も「調査手続きの適正化が先決だ」と指摘しており、スムーズに法改正が進むかは不透明だ。(小野田雄一)

 日本では近年まで、カルテルなどの談合は必要悪と解される風潮が強かった。実際、独禁法が制定された昭和22年以降、公取委は不正を発見した場合でも破棄などを命じられるのみだった。摘発に消極的だとして「吠(ほ)えない番犬」と揶揄(やゆ)されることもあった。

 52年に独禁法が改正され、具体的な制裁手段として課徴金制度が導入されたが、当初の課徴金額は不正に関連した売上高の一律1・5%にすぎなかった。

 その後、課徴金は引き上げが続き、平成17年に現行の最大10%に。同時に、裁判所の令状に基づいて強制調査を可能にする「犯則調査権限」や、他社より先に不正を自主申告すれば最大5社まで課徴金の減免を受けられる「課徴金減免制度(リーニエンシー)」も導入。違反を早期発見できる体制を作り、「戦う公取委」に変貌した。

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