ミャンマー情勢

テイン・セイン大統領「将来の平和に向けた道、開かれた」 少数民族武装勢力との停戦協定署名で

 【シンガポール=吉村英輝】ミャンマー政府と同国の少数民族武装勢力8組織は15日、首都ネピドーで停戦協定に署名した。1948年の完全独立から続く内戦の終結に向けた前進が期待される。ただ、署名に応じたのは、政府が和平交渉を進めた15組織の約半分。テイン・セイン政権は、11月8日に予定する総選挙前の実績作りへ、実効的な全土停戦を先送りした形だ。

 テイン・セイン大統領は「将来の平和に向けた道は開かれた」と成果を強調した。東部カイン州を拠点とするカレン民族同盟(KNU)など協定を結んだ8組織と、90日以内に、武装解除や停戦監視方法などを決める「政治対話」を開始する。

 一方、衝突が続く北部カチン州のカチン独立軍(KIA)などとの停戦は、国軍と戦闘を続ける中国系少数民族コーカン族の武装勢力が交渉から排除されたことへの反発から頓挫した。

 政府側交渉窓口のミャンマー平和センター幹部はロイター通信に、中国国境付近の2組織が、中国から署名に応じないよう圧力を受けたと述べた。中国が影響力保持を画策した可能性があるが、中国はこの指摘を否定したという。

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