スポーツ異聞

背番号「18」の悲哀 松坂、杉内、ハンカチ…もはやエースの称号ではない? 

 ノンフィクション作家、小野俊哉は著書『プロ野球は「背番号」で見よ!』(光文社新書)の中で、18がエースと見なされる理由について、漢字の「八」が末広がりで縁起がいいことと、チームの「おはこ」(18番)がマウンドに立つと、勝利のイメージが喚起されることを挙げる。

 18をつけたエースには期待が膨らむ。それだけに、期待が裏切られたときのダメージはより深くなる。仮にマエケンが18をつけていなければ、地元紙から「エースの覚悟」うんぬんと批判されることもなかったかもしれない。

 背番号18番には「責任」が伴うのだろうか。実際、ヤンキースの田中将大は楽天時代、背番号18をつけてシーズン24勝という金字塔を打ち立てたが、今から思えば「エースの称号」という威を借りて、投げ急いでいたような印象すらある。

 ところで、高校野球ではエース番号1は昔から定着しているが、プロ野球の世界で大成した投手は、近鉄で317勝を挙げた左腕・鈴木啓示に限られそうだ。中には、背番号1時代は活躍できなくても、他の番号に変えた途端、勝ち星が付いてきた投手もいる。

 ユニホームの背番号は、球団から偶然与えられた数字ではなく、選手から選手に伝えられてきた「怨念」が吹き込まれていると解釈できそうだ。