秘録金正日(46)

最側近を銃殺、血塗られた「40歳」誕生日 70歳の父には引導渡す世紀の祭典

 1982年2月、金正日(キム・ジョンイル)は北朝鮮の公称年齢で40歳(実際は41歳)の誕生日を迎えた。その年に「共和国英雄」称号とともに、第一級の国家的功労者に送る「金星(クムソン)メダル」や「国旗勲章第1級」を授与され、政権の前面に登場する。

 国営メディアは、正日の公式登場を「1世代に2人の指導者を仰ぐことができた朝鮮人民の無限の喜び」と喧伝(けんでん)するなど、父の金日成(イルソン)と同列に扱い始めた。

 それまで日成の顔色をうかがい、あからさまに正日にへつらうのを控えていた「革命第1世代」の元老らまでこびを売るようになる。正日「40歳」誕生日を契機に政権内では、忠誠競争が熾烈(しれつ)さを極めた。

女性貢ぐ「喜び組」システムの創始者

 秘密警察や工作機関の幹部、政務院(内閣)の部長らも競うように、金正日の誕生日を祝う行事をやらせてほしいと、金日成の官邸である主席宮や正日が部長を務める朝鮮労働党組織指導部に請願書を寄せた。

 軍や政界の最重鎮である呉振宇(オ・ジヌ)や金一(イル)までもが「親愛なる指導者同志の誕生祝いを盛大に執り行いたい」と、主席宮に詣でるありさまだった。

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