日本の議論

動物園から逃げ出した「キョン」が大繁殖し11000頭に 伊豆大島で人口超す〝厄介者〟 農産物被害に住民「困った!」 

 房総半島では昭和30年代、千葉県勝浦市の動植物園「行川アイランド」(平成13年閉園)から脱走したキョンが野生化。19年度は推定3400頭だったのに対し、26年度末は約4万7千頭に増えている。

 千葉県の26年度の農業被害額は計3億8千万円で、そのうち、イノシシが約1億9千万円と半分以上を占め、キョンは77万9千円にすぎないが、「今から手を打たないと大変なことになる」(県の担当者)と危機感をあらわにする。

食肉や革製品として

 捕獲されたキョンはほとんどが殺処分されるが、一部、食肉や革製品として活用されているものもある。

 フランス料理店「deco」(東京都渋谷区)では2年前ごろから、房総半島で捕獲されたキョンを猟師から直接仕入れ、ローストしたり、ミンチにして「パテ」にしたりして不定期で提供している。シェフの室田拓人さん(33)は「鹿肉をあっさりさせた感じ。当店で初めて食べる人がほとんどだが、『おいしい』となかなか好評ですよ」と話す。

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