政界徒然草

古賀切りでポスト安倍の最右翼に立った岸田外相 「政治をリアルに考える」を信条に宏池会をどう導くのか…

 総裁選をめぐる攻防に決着がついた7日、岸田氏の携帯電話が鳴った。相手は安倍首相その人だった。

 「ありがとう」

 双方が信頼できる相手と再確認した瞬間だった。

 目立つ行動には痛みも伴う。安倍首相の無投票再選が決まった9月8日、岸田派若手の木原誠二衆院議員が退会届を提出したのだ。関係者によると、木原氏は総裁選で岸田氏の意向に従う考えだったが、岸田氏周辺から「野田氏の推薦人になるのではないか」と疑われ、嫌気がさしたという。

 岸田氏は9月10日の派閥例会で「大変長い1週間だった。いろいろなことがあった」と切り出し、こう続けた。

 「宏池会として一致結束して総裁選に臨む方針を示したが、結果として多くの同志の先生方が苦しみ、悩んだことについては、会長として力不足であったとおわびを申し上げなければならない」

 岸田氏は総裁選後、古賀氏のもとも訪ねた。「包容力のあるお言葉をいただいた」と語る岸田氏だが、古賀氏に近い岸田派議員は「古賀氏が許しているとは思えない」と話す。

 3年後の総裁選に向け、石破氏はさっそく自らの派閥「水月会」を立ち上げ、出馬への意欲を隠さない。野田氏の再挑戦も想定され、激戦となる見通しだ。「ポスト安倍」が視野に入った岸田氏は今後、やはりハト派の頭目として古賀氏との修復を図るのか、それとも総裁選を通じて連携を深めた安倍首相との関係をさらに強固にするのか。派閥研修会でのあいさつは実に示唆に富んだ内容だった。

(政治部 酒井充)

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