政界徒然草

古賀切りでポスト安倍の最右翼に立った岸田外相 「政治をリアルに考える」を信条に宏池会をどう導くのか…

 伏線はあった。総裁選は安倍首相の無投票再選で終わったが、そこに至るまでに安倍、岸田両氏がタッグを組んだ水面下の激しい攻防があったのだ。

 有力候補の一人とみられていた石破茂地方創生相が不出馬を決める中、野田氏は自らの立候補に必要な推薦人20人の確保に向け、ぎりぎりまで奔走した。その野田氏の出馬を待望していたのが、非議員でありながら現在も永田町に一定の影響力を持つ古賀氏だった。

 古賀氏は8月10日発売の月刊誌「文藝春秋」で総裁選を行う必要性を訴えた。念頭にあったのは、派閥を禅譲した岸田氏だった。だが、安倍首相の再登板以来、政権の看板である積極的平和主義に基づく地球儀外交を支えてきた岸田氏には、もとより出馬の意向はなかった。

 そこで古賀氏が白羽の矢を立てたのが、現役時代から目をかけてきた野田氏だった。

 その古賀氏と岸田派若手議員による会合が9月2日夜、都内で開かれた。総裁選告示(9月8日)直前の時期だったこともあり、永田町では「古賀氏が野田氏の総裁選出馬のため協力を要請するのではないか」とささやかれていた。ただ、岸田氏は会合に参加した若手から「何もありませんでした」と報告を受けると、これで岸田派の反乱もなく安倍首相が無投票で再選されると胸をなで下ろした。

 総裁選に突入した場合、安保関連法案の今国会成立が危うくなっていたのは間違いない。複数の候補者が出た場合の総裁選の開票日は9月20日。安保関連法案の大詰めの審議が停滞するのは必至で、答弁者として連日のように国会に出席していた岸田氏にとっても避けたい事態だった。何よりも足下で反乱が起きれば、自身の求心力も失うことになる。

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