地権者不満「約束は守れ」 廃棄物の袋劣化…漏洩に懸念、心理的にも圧迫

 畑では自宅そばの牛舎で飼育している牛の餌となる牧草を育てていた。原発事故後、放射性物質の影響で牛にはこの畑の牧草を与えることができなくなり、海外品を購入せざるを得なくなった。年間で100万円以上の出費という。

 汚染された堆肥の運び出しが遅れれば、牧草を育てることができず出費がかさみ続ける。運び出された後も再び除染して牧草の種をまき、放射性物質の濃度を測定する検査が待つ。それをクリアしてようやく牧草を餌として与えることができるようになる。

 「国からの説明はあったが『もう少し待ってほしい』というだけで、いつごろ持っていくとは言わない。時期をはっきりさせてほしい」

 猪狩さんは行く当てのない廃棄物を前に、静かに怒りをぶつけた。

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