ロシア万華鏡

チェルノブイリで第2の放射能汚染の危険 森林火災で大気中に拡散し…

 ウクライナの環境団体のトップは地元メディアに「立ち入り禁止区域で起きた火災は極めて危険だ」と指摘した。乾燥した気候が続けば、火はいつでも燃え広がる可能性があるとし、「放射性物質を含んだ灰はその後、風に運ばれて広範囲に広がり、土壌や河川に降り積もる。これは環境汚染と健康被害に対する大きな脅威だ」と警鐘を鳴らした。

 欧州各国では、経済危機に陥っているウクライナ政府の対策が不十分の可能性があると見ており、「放射能危機」問題に従事する欧州委員会の幹部もロシアのメディアに対し、「最悪のシナリオは、この地域でガンの発生率があがることだ」と指摘した。

 しかし、この立ち入り禁止区域に、ウクライナとは別の独自のモニタリングポストを設けているロシアは「危険性は最小限に過ぎない」と主張した。

 原発専門家は、チェルノブイリ原発周辺では2010年にも大規模火災があったが、健康被害に達するレベルの放射性物質のデータは検出されなかったと指摘。その上で、「すでに、原発事故時の汚染された土壌は地中深くまで浸透しており、大きな影響を及ぼすメカニズムにはない。今回の火災でも異常は検出されていない」と語った。

 大規模火災に対する住民の懸念は、ソ連時代に情報を発表しなかった不信感に根付いており、ウクライナ政府には徹底した情報公開が求められる。

 山火事は福島第一原発周辺でも発生する恐れがあり、今回の出来事は、日本政府に対しても大きな教訓を与えそうだ。(佐々木正明)

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