ロシア万華鏡

チェルノブイリで第2の放射能汚染の危険 森林火災で大気中に拡散し…

 しかし、その後も大規模火災は相次いだ。6月下旬から7月上旬にかけては130ヘクタールが延焼した。乾燥した天候が続いた8月、9月にも枯れ草や落ち葉から出火し、再び数十ヘクタールが燃えた。ウクライナ非常事態省は8月、火災は放火の可能性があると発表した。

 チェルノブイリ周辺で火災が広がる理由には、規制区域の一部で自然発火する恐れのある泥炭地帯が広がっていることが背景に挙げられる。

 さらに原発事故後の30年間、まったく人の手が加えられていないことから、一帯に落ち葉や枯れ木などが積み重なっていることも、火災を誘発する原因となっている。福島第一原発事故後のように、チェルノブイリ周辺では十分な徐染作業や処理が行われておらず、こうした草木にも大量の放射性物質が付着しているとみられている。

 案の定、大規模火災で住民に29年前の悪夢の記憶が甦った。ウクライナ当局が放射性物質の基準値超えを発表したのである。

 7月の火災で、周囲に設置されたモニタリングポスト1カ所で基準値の10倍に増大したセシウム137を検出した。原発事故で放出された放射性物質である。地元メディアによれば、ウクライナ当局は「健康被害はない」ことを強調し、関連する他の詳細な情報は明らかにしなかった。

 こうした状況から、地元からは事態を懸念する声が相次いだ。

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