京都府舞鶴市は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録されたシベリア抑留関連資料の展示会を12月25~27日、千代田区の商業施設「KITTE」で開くと発表した。抑留の歴史を広く知ってもらうため、資料を収蔵する舞鶴引揚記念館(同市)の見学を呼び掛ける。
展示品は、記念館が収蔵する抑留関連資料約1万2千点のうち、一部の収容所で抑留者から日本の家族に出すことができた往復はがきや留守家族の手紙など。13年間、抑留されていた男性が家族に送ったはがきとその妻がつづった日誌なども展示し、家族愛や夫婦愛の深さをうかがわせる内容とする予定だ。
9日に都内で記者会見した堤茂副市長は「引き揚げ事業に携わってきた舞鶴の責務として、抑留を国内外に伝え続ける。戦争を知らない世代にも語り継いでいきたい」と述べた。同席した抑留体験者の安田清一さん(93)=目黒区=はシベリアでの過酷な生活を振り返り、「鉄砲や大砲を撃つことのない世界にしてもらいたい」と訴えた。