台北から見る中国軍事情勢

あなどれない通常型ミサイル 台湾・沖縄射程に計1500発 弾頭も多種多様でその威力は…

 9月3日に北京で行われた軍事パレードで、その威容を誇った人民解放軍の戦略ミサイル部隊「第2砲兵」。核弾頭と通常弾頭の双方を配備する特異な部隊編成については前回の本欄でも触れた。通常弾頭型の弾道ミサイルの威力は、核ミサイルに比べ軽視されがちだ。だが、台湾などの研究は、質・量ともに近代化されたミサイル部隊がさまざまな機能を持つ通常弾頭を運用し、戦略的に重要な役割を果たすことを示している。(台北 田中靖人)

現実的な脅威

 安全保障に関する日本の研究は、米国の公開資料に頼ることが多い。米国の関心は当然ながら、中国でも北朝鮮でも、米国に届くミサイルに偏りがちだ。ただ、こうした長距離弾道ミサイルには核弾頭を搭載するのが常識。通常弾頭型のミサイルの分析は、空母を標的とする対艦弾道ミサイル、東風(DF)21Dなど米軍への直接の脅威となるものはよく見かけるが、それ以外はやや専門的になる。

 だが、台湾向けには約1500発もの通常型の弾道・巡航ミサイルが集中配備されており、むしろこちらの方が現実的な脅威の度合いが高い。沖縄などが射程に入る日本にとっても同様だろう。

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