台北から見る中国軍事情勢

あなどれない通常型ミサイル 台湾・沖縄射程に計1500発 弾頭も多種多様でその威力は…

部隊の全容は…

 第2砲兵の部隊編成で、最も大きなものは「基地」と呼ばれる。台湾の国防部(国防省に相当)が公開している複数の研究論文によると、実際にミサイルの発射を担当する部隊6個(51~56基地)が中国各地に分散配置されているほか、訓練や装備の管理などを担う部隊2個(22、28基地)の存在が確認されている。基地の下には、「基本作戦単位」である「旅(旅団)」がそれぞれ2~7個あり、合計で二十数個のミサイル旅団がある。運用するミサイルは旅団ごとに決まっており、それによって戦略、戦術の任務が分かれている。

 国防部の「中共軍力報告書」は、二十数個のミサイル旅団のうち、山東、浙江、江西、福建、広東、広西の各省に配置されている12個旅団を台湾向けと分析。うち山東省などの3個旅団の射程に、沖縄、九州、西日本がそれぞれ含まれている。

 主に通常弾頭を扱う戦術ミサイル旅団では通常、1個旅団の下に4~6個の発射営(大隊)、1個営に2、3個の発射連(中隊)、1個連に2個の発射排(小隊)があり、1個排に発射機1台と支援車両が配備されているという。単純計算で1個旅団に最大36台の発射機があることになる。

 発射機は車両移動型(TEL)で、各旅団には複数の発射陣地がある。発射陣地は中国全土で最大110カ所(核ミサイル含む)とされ、事前にどの陣地から発射されるかを予測することは難しい。部隊は駐屯地から鉄道や高速道路を利用して発射陣地に移動後、目標の座標入力などを経て最長でも40分以内に発射態勢が整うという。ミサイルは江西、福建両省から発射された場合、7~10分で台湾に着弾する。部隊は状況に応じて発射後、直ちに別の陣地に移動するため、反撃の機会は少ない。

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