3年後、剣道の世界選手権は日本のライバル・韓国で開かれる。男女の団体決勝で何度となく涙をのんできた韓国での初開催に、早くも「開催国有利」の判定がなされないか憂慮する声が出ている。
剣道の有効打突の見極めは難しく、一流剣士のスピードにベテラン審判の目が本当に対応できるのか限界説も出ている。「審判の権威」よりも大事なこと、それはルールの分かりやすさと国際基準の徹底、さらに言えば、世界選手権のような国際大会を仕切る審判のレベル向上にある。
あの日、疑惑の判定を目の当たりにした子供が「なぜ、一本が取り消されたのか?」と周囲の大人に問うても、明確な答えは得られないだろう。しかし、同じことを世界選手権で行えば、海外剣士からひんしゅくを買うことになるだろう。剣道界は判定の透明性や説明・理解に関して、真摯(しんし)に向き合うべきでないのか。