酒井充の野党ウオッチ

朝日新聞や民主党が絶賛した8・30国会デモは、デマと罵詈雑言が飛び交う「異常空間」だった…

 メーン会場の国会正門前では、岡田氏と共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表がそれぞれあいさつした。各氏とも声が上ずり、いつもの雰囲気とは違って高揚していた。いずれも廃案と共闘を叫び、岡田氏は志位氏とがっちり手を組んだ。

 野党党首の次は、各界からのスピーチに移った。ルポライターの鎌田慧氏は「安倍は本当に珍しい嘘つき」「安倍みたいに対話ができないやつはない」と呼び捨てで訴えた。続いて山口二郎法政大教授は「安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる」と叫んだ。山口氏は教職にあり、民主党のブレーンでもあるという。

 講談師の神田香織氏は首相を「あんた」「嘘つき」「泥棒」とののしり、「切腹しろ」と退陣を求めた。袖井林二郎法政大名誉教授は、首相が「デモ隊を鎮圧するために機動隊だけでは足りず、武装した自衛隊を派遣するかもしれない。本当に困った人だ」と主張した。

 鎌田、袖井両氏、そして映画監督の神山征二郎氏らは「60年安保」に言及した。久々の国会周辺の大規模集会に郷愁を感じているようだ。確かに集会参加者には高齢者の姿が多い。

 午後3時すぎ、法案反対のデモ活動を行う学生団体「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基氏が登壇した。奥田氏は「安倍首相は『どうでもいい』とかやじを飛ばして、この安保法制を結構軽く見ていると思うんですよね」と述べ、「どうでもいいなら総理をやめろ!」と叫んだ。

 首相がいつ「どうでもいい」とやじを飛ばしたのか不明だが、8月21日の参院平和安全法制特別委員会で首相が自席から発言した「まあいいじゃないか」を勘違いしていると思われる。このやじの直後、質問していた民主党の蓮舫代表代行が「『そんなことどうでもいいじゃん』とは、どういうことか」と追及していたからだ。