大手生保の「租税回避商品」是か非か 中小企業オーナーにうま味も 法律的にグレーゾーン(1/3ページ) - 産経ニュース

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大手生保の「租税回避商品」是か非か 中小企業オーナーにうま味も 法律的にグレーゾーン

逓増定期保険の名義変更
逓増定期保険の名義変更

 大手生命保険会社が今春売り出した、法人や個人事業主が加入できる生命保険商品が、法律のグレーゾーンを突いて納税を免れる「租税回避」につながる恐れがあると指摘されている。中小企業オーナーが、ある手順を踏めば1千万円単位の所得税を納めずに済むからだ。生保業界や税理士の間からは、国税当局に対応を求める声が上がっている。

 問題の商品は「低解約返戻金型逓増定期保険」と呼ばれる生命保険。加入当初のあらかじめ決まった数年間は解約時に受け取る返戻金が少ないが、その翌年以降に解約すれば一転して多額の返戻金を受け取れるのが特徴だ。

 これまで外資系保険など6社が扱っていたが、国内3位の明治安田生命保険が今年3月、解約返戻率の上昇度合いが大きいこの保険商品を売り出したことで注目されるようになった。明治安田によると、同商品は発売後、8月までに1747件を契約しており、順調な売れ行きだという。

 この保険が問題とされるのは、返戻金が増える前年に契約名義を法人から社長など個人へ変更するケースだ。法人が保険料を年間920万円払う右のグラフの例だと契約4年目がポイント。法人は1年待って解約すれば4406万円もらえると分かっていながら、688万円で個人へ売却する((1))。国税庁が通達で、売却額は解約返戻金と同額と定めているためだ。

 個人は5年目に1年分だけ保険料を負担((2))したうえで解約すれば、4406万円の返戻金が転がり込んでくる((3))。差し引き2798万円の利益を上げられるというわけだ。