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人気のメイドカフェが、一瞬のうちに炎と煙に包まれ、夜の繁華街に悲鳴が響き渡った。広島市中区流川町の雑居ビルで8日夜に発生した火災。火元となったビルは築60年以上と古く、調理後の廃油がごみ置き場に捨てられるなど、入居店舗の安全管理にも問題があった可能性がある。
「水、水、消火器!」
近くで飲食店を経営する40代の男性は、女性の甲高い悲鳴を聞いて店外に飛び出した。目の前に広がったのは、窓から激しい炎と真っ黒な煙が噴き出す雑居ビルの姿。周囲には助けを求める叫び声や、警察官や消防隊員の「逃げろ」「下がって」などの怒号が響き渡った。
雑居ビル前の路上には、メイド服姿の女性が横になって倒れていた。服や顔はすすだらけで、髪の毛は熱でちぢれていた。ビルから逃げ出した別の女性従業員もパニックになり、泣き出していた。
雑居ビルから約50メートル離れたマンションに住む建設業の男性(58)の家の中にも、黒煙が入ってきた。「かわいらしい格好をした女の子が真っ黒になって搬送されていった。こんな恐ろしい火事は初めて」と、声を震わせた。