関西の議論

徳島の盲導犬と飼い主、無念の事故死 バック警報音「どうして義務づけないのか」…法令の死角

 年10回以上、県内の小中高校で講演を行い、視覚障害者や盲導犬への理解を呼びかけてきた。9月17日には秋の全国交通安全運動の式典にヴァルデス号と出席し、「盲導犬を連れた人を見たら安全運転を」と訴えたばかりだった。

 一方、ヴァルデス号はオスのラブラドルレトリバー。事故に遭った日が10歳の誕生日で、11日に引退が決まっていた。山橋さんにとって3代目の盲導犬で、相棒歴は8年に及んだ。育てる会によると、犬は10歳前後で老化現象が出てくるため、その頃を目安に盲導犬の引退準備に入るといい、ヴァルデス号も同県石井町で余生を送ることになっていた。

増幅する悲しみ

 事故現場には山橋さんとヴァルデス号の訃報を悼む人たちが手向けた花がずらりと並ぶ。育てる会にも「あなたの事故を知り心が痛みます。天国で山橋さんと幸せになってくださいね」などと書かれたメッセージが添えられた花が届けられ、悲しみは高まるばかりだ。

 昨年12月から今年1月にかけて体調を崩して入院した山橋さんに代わり、ヴァルデス号の散歩をしていたという同会メンバーの女性(59)は「突然のことでびっくりしている。残念でしかたがない。一緒に天国に行ったことで少しは救われるのでは」と目を潤ませた。

 現場近くの女性は「後で警報音声を切っていたと聞き、なんでと思った。どうして義務付けないのか。警報音声があったら山橋さんも気づき、最悪の事態は避けられたかもしれない」と疑問を呈した。

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