正論

首相が自衛隊最高司令官であることを知らない国〜安保法制は日本の「現実的一歩」だ ジェームス・E・アワー

 安倍晋三首相はもちろん、自らが日本の自衛隊の文民最高司令官であることを認識している。自国の防衛に失敗して多数の死者や甚大な国家的損害が出たりした場合には責任を問われる最高司令官である。

 安倍首相は、日本が直面する脅威をめぐる状況が、1972年に最低限の集団的自衛権の行使も許されないとした当時とは異なり、より不利になっていると認識した。そして、国の安全保障が脅かされ、他に手段がなく、他国と協力しての武力行使を最低限とする、との極めて制限された条件下で集団的自衛権の行使は容認される、とした2014年7月の閣議決定を実行するための穏当な法案を提出した。

 9月19日に成立した安全保障関連法案は、他の多くの国々が自国に認めているよりもはるかに限定された集団的自衛行動しか認めていないことは認識されるべきだ。

 《直接的脅威に手遅れになる》

 例えば、仮に北朝鮮がミサイルを発射して何千もの大阪市民を殺害した場合、米国は、自国の安全が直接的に脅かされたかどうかにかかわらず、大規模な通常兵力や、さらには核戦力をもって日本を支援することが可能だ。

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