漫才コンテストの最高峰「M-1グランプリ」の2回戦が6日、大阪市内で開かれ、漫才などの笑いを通じてコミュニケーション能力をはぐくむ「笑育(わらいく)」に取り組む府立金岡高校(堺市北区)の校長と教頭の先生コンビが出場した。ともに出場した同校3年の元生徒会長・副会長コンビが前日、2回戦で敗退しており、「生徒たちのリベンジを」と意気込んで臨んだが、お笑いの壁は高かった。(上岡由美)
公募校長は放送作家から転身…業務後、終電までネタ合わせの日々
「教頭先生、ノーベル賞のニュース見ました? あの大村さん、高校の先生だったって。あっちはノーベル賞で、こっちはコンビ組んで漫才です」
「校長先生、コンビじゃないですから」
「じゃあトンビ?」
コンビ名は「校長・教頭」。テンポの良いボケとツッコミの軽妙な掛け合いに会場から笑いが起きた。
金岡高校は、今年度から松竹芸能(大阪市中央区)の協力を得て、府内の高校では初めて通年授業で「笑育」を導入。漫才に目をつけたのは昨年、放送作家から転身した和栗隆史校長(54)で、生徒コンビの「M-1」挑戦に触発され、綾井俊行教頭(52)とコンビを組んで参戦することになった。
台本は和栗校長が作成。公務中は稽古ができないため、業務終了後から終電までの時間でネタ合わせをして本番に臨んだ。