平成13年の部隊創設以来、標高の高い場所や積雪地など過酷な環境下でも活動できるよう厳しい訓練を重ね、過去60回以上の災害派遣を経験。26年9月27日に発生した長野、岐阜県境の御嶽山(標高3067メートル)の噴火では、危険を顧みず生存者の救出や行方不明者の捜索、救助隊の山頂への輸送などにあたった。
噴火直後の山頂付近に堆積した火山灰は乾燥し、ヘリで近付けば巻き上がる状態。いったんエンジンが火山灰を吸い込みトラブルが起きれば、二次災害の恐れも出てくる。山頂付近の気流の乱れにも注意しながらパワーを上げ下げする繊細な操縦が求められた。
しかし、同年10月の台風18号の接近で事態は一変。火山灰が大量の雨を吸い込んで泥濘(でいねい)化し、ぬかるんだ地面にまともに着地すれば機体ごと沈み込む。ここで応用したのが「雪ぞり」や「スノーシュー」と呼ばれる積雪地用の装備だった。