機体に円盤状の回転式アンテナを載せ、「空飛ぶレーダーサイト」と呼ばれる早期警戒機E2C。空自に入隊して28年、その機体整備一筋に生きてきた。
低空で領空に接近する航空機は水平線下に入るため地上レーダーでは探知できず、E2Cが空中から目を光らせる。中国機の領空接近が急増する中、東シナ海上空の守りに欠かせない。
「搭乗員を死なせない」との一心で、飛行前後に4人がかりで1時間かけて整備にあたる。中国機の接近に対処する緊急発進(スクランブル)の出動回数は右肩上がりでも高い可動率を維持。飛行隊長でパイロットの小池裕晃2等空佐(45)は「プロフェッショナルの整備に全幅の信頼を置いている」と話す。
昨年4月に新編されたばかりの部隊で初代の准曹士先任も務める。准曹士先任とは、部隊に籍を置く約130人の隊員にとって父親や兄のような役割を期待されている。
ホットスポットを抱えるだけに任務は強い緊張感を伴う。誇りとやりがいは大きいが、慢心にもつながりかねない。准曹士先任には他の部隊以上に隊員への目配りが求められる。