八重山日報記者の知事同行記(下)

尖閣問題を避け続ける翁長知事 八重山住民に広がる憤りと危機感

 このため、知事や反基地派は尖閣問題を無視するか、「尖閣有事でも、米軍が出動することはない」「普天間飛行場の米海兵隊は抑止力にならない」などと反論している。

 だが尖閣に日米安保が適用されることはオバマ米大統領が明言。米軍が抑止力であることを否定する主張は日米安保の否定にもつながり、保守派の共感を得にくい。現在、辺野古移設反対派にとって「尖閣」は極力触れたくないキーワードになっている。

 そこで翁長知事が提唱する新たなキーワードが「平和」だ。

 外国人特派員協会での会見で知事は「私も尖閣は日本固有の領土だと思っている」とした上で「万が一、小競り合いが起きたら、石垣市に来ている100万人の観光客は10万人に減ると思う」と指摘。「勇み足でやってしまうと、取り返しがつかない。何が起きても、平和に解決してほしいのが沖縄の立場だ」と述べた。

 尖閣問題で中国に毅然とした態度を求める八重山住民に対し「平和」を最優先して騒ぎ立てないよう暗に求めたとも受け取れる。