八重山日報記者の知事同行記(下)

尖閣問題を避け続ける翁長知事 八重山住民に広がる憤りと危機感

 八重山諸島の住民から見ると、翁長知事が尖閣問題に消極的な印象はぬぐえない。4月の訪中時、中国首相と面会しながら尖閣周辺での領海侵入に抗議しなかったため、石垣市の中山義隆市長から「非常に残念」と批判された経緯もある。

 市議会で意見書の議決に賛成した友寄永三市議は「演説で尖閣について言うか言わないかは知事の判断。市として要請することが大事だ」と意見書に込めた市民の思いを代弁する。

 意見書の提案者で、知事演説を国連で聞いた砥板芳行市議は「知事は市議会が要望したにもかかわらず、尖閣について何も触れなかった。県民として憤りを感じている」と話した。

 県議会で町田優知事公室長は、知事が演説で尖閣問題に触れなかったことについて「人権理事会になじまないと判断した」と説明した。

■「平和」キーワードに

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴える知事としては、尖閣問題を強調すると中国の脅威や米軍基地の重要性を認めざるを得なくなり、移設反対の論拠が弱まりかねない。