今週の焦点

ノーベル賞 自然科学分野で同時受賞に期待 「裏年」も有力候補多数

 化学賞(7日発表)は4、5年おきにめぐってくる有機化学の分野から選ばれる公算が大きい。医薬品に広く使われる合成反応を開発した向山光昭(むかいやま・てるあき)東工大名誉教授(88)の受賞が有力視される。有機合成は日本の得意分野で、ほかに柴崎正勝東京大名誉教授(68)、山本尚(ひさし)中部大教授(72)の名前も挙がっている。

 文学賞(8日にも発表)の有力候補として毎年取り沙汰されるのが、「ノルウェイの森」「1Q84」などで知られる村上春樹氏(66)。主要作品が約50の言語に翻訳され、ノーベル賞に近いといわれるチェコのフランツ・カフカ賞など世界的な文学賞も受けている。日本人で3人目、戦後生まれでは初となる栄誉を待ち望む声は絶えない。

 経済学賞(12日発表)では、清滝信宏・米プリンストン大教授(60)の受賞に期待が集まる。マクロ経済学を専門とする清滝氏は、1987年に商品の価格決定にブランド力が影響することを証明する論文を共著で発表。97年にはバブル崩壊後の日本の景気の長期低迷などの原因も解き明かした。

 このほか、9日には平和賞も発表される。

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