「自撮りサル」著作権はサル自身にある? 動物愛護団体「収入を保護活動に」提訴で論争

専門家は「勝ち目なし」

 しかし、先月22日、米動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」が「米国の著作権法では動物が著作権を持つことを禁じていない。著作権はサルにある。著作権庁の判断は一見解にすぎない」としてサンフランシスコの連邦裁判所に提訴。さらに、ナルト自身が著作権を持っても、自らは収入を有効に使えないとして、PETAが代わりに権利を行使して、収益をサルの保護に使うと主張した。

 ただ、PETA側は「この訴訟に勝てば、動物に財産権が認められる初の事例となる」と意気込んでいるが、多くの専門家たちは「主張が突飛で、まず裁判は負けるだろう」との見方を示している。

 スレイターさんも「私自身、収益は動物保護に使う意向だった」として、サルに著作権があるというPETAの主張には不快感を示している。

 最近は自動翻訳や自動作曲など人間が介在しない創作物が増えている折でもあり、米司法当局の判断が注目される。

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