「権限がない。正確な情報も把握できていない」-。賭博問題の発覚後、1日に発足したばかりのスポーツ庁幹部は、事実確認に追われた。
日本相撲協会所属の力士による八百長が発覚した際は、法人設立を認定した立場から文部科学省に監督・指導する権限があった。しかし、プロ野球については、庁内に「民間スポーツ担当」の部署こそ置くものの、権限を持つ立場にはない。
とはいえ波紋は大きい。実際、新国立競技場の財源に充てる狙いから、プロ野球をtotoの対象に拡大することが検討されている。球界には、1969年に野球賭博が絡む八百長行為に西鉄(現西武)選手が関与した「黒い霧事件」が発覚。永久追放など厳しい処分が下された経緯があり、くじの対象になることに慎重な意見が根強い状況でさえでもだ。