「ここから先は行かせない」米オレゴン乱射 犯行阻もうと7発被弾、重傷男性に称賛の声

 9人が犠牲になった米西部オレゴン州ローズバーグのアンプクア・コミュニティーカレッジ乱射事件で、容疑者の男に立ち向かい、何発も被弾しながら事件を止めようとした男性をたたえる声が広がっている。

 男は窓越しに銃を乱射しながら作文講座の授業が行われている教室に近づいたが、同カレッジの学生、クリス・ミンツさん(30)が男の前に立ちはだかった。ミンツさんは2004年から07年まで米陸軍に所属。勲章も受けた。

 「ここから先は行かせない」。そう話すミンツさんに、男は3~5発撃った。その場に倒れ込んだミンツさんは男を見上げ、「今日は息子の誕生日なんだぞ」とうめきながら言った。男はさらに数発撃った。ミンツさんは両脚や背中などに計7発被弾。一命を取りとめたが、両脚のけがは重く、車いす生活が続きそうだ。ミンツさんは一夜明けた2日、病室で米ABCテレビの取材に応じ、「みんなが大丈夫なことを祈っている。みんなが心配だ」とだけ話した。

 学生らは信仰する宗教を聞かれ、次々と撃たれた。キリスト教徒を狙ったとの目撃証言もある。凶行は防げなかった。それでも、インターネット上には「英雄的行動をありがとう」といった書き込みが目立っている。(ロサンゼルス 中村将)

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