防衛装備の研究開発や調達、輸出を一元管理する防衛省の外局「防衛装備庁」が1日、発足した。防衛省内に分散していた装備品に関する機能を集約し、取得コストの削減につなげる。中谷元防衛相は1日午前、渡辺秀明初代長官に辞令交付した。
陸海空自衛隊の各装備取得部門と、内部部局である経理装備局の装備グループ、技術研究本部、装備施設本部を統合して新設した。人員は約1800人で、うち約400人は自衛官で構成する。
これまで各部署が個別に装備品の調達を行ってきた体制を改め、長期契約によるまとめ買いなどを推進することでコスト圧縮を図る。防衛省内の縦割り構造を廃止することで、調達する装備の規格や部品の共通化も期待される。
また装備庁は、平成26年に閣議決定された「防衛装備移転三原則」に基づき、国際協力などを目的とした装備品の輸出や共同開発も担う。
一方、調達や輸出をめぐる権限が集中するため、「汚職や腐敗の温床となる可能性」(防衛省幹部)が懸念されている。このため防衛省は、汚職防止策として装備庁内部に20人規模の監察担当者を設置するほか、外部からの監視体制を強化する。