放射線技師を書類送検 X線撮影中の転落死に業過致死の疑い 群馬

 健康診断の胃のエックス線撮影中に女性が撮影台から転落、死亡した事故で、県警は28日、落下防止措置を怠ったとして、業務上過失致死の疑いで、担当の女性放射線技師(55)を書類送検した。「自分の技術を過信していた」と容疑を認めている。

 送検容疑は5月8日午前11時25分ごろ、沼田市の建材会社の健康診断をしていた検診車内でエックス線撮影をする際、転落防止用の肩当てが装着されていないにもかかわらず、監視窓や監視モニターの映像で確認する業務上の注意義務を怠り、同社アルバイトのブラジル人女性、マスコ・ロザリナ・ケイコさん=当時(58)=を撮影台から転落させ、頭蓋底骨折に伴う脳動脈損傷による出血性ショックで死亡させたとしている。

 県警によると、技師が落下後に撮影台を動かしたため女性は台と検診車の壁に頭を挟まれた。技師は32年間の経験があり、これまで事故はなかったという。技師は「より注意深く受診者の様子を確認しなければいけなかった」としている。

 胃のエックス線撮影の健康診断は消化器検診車で行われ、受診者がバリウムを飲んだ後、身体を傾ける診察台で撮影が行われる。台が回転するなどし身体が左右に揺れ頭部が水平より下に傾くこともあるという。

 検診を実施した全日本労働福祉協会は事故後に事故調査委を設置、6月下旬に報告書を公開。その中で肩当てについては「肩当てにより顔面等を打撲したり、眼鏡を破損する等の事故や苦情の原因となるため、普段は外していた」とした。

 そのうえで、「肩当てを装着していなかったことや監視モニター画面で受診者の観察が十分に行われていなかったことなど複数の要因が事故を招いた」と結論づけている。

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