安保理改革 首相、独印ブラジルと共同声明 来年秋までに具体的成果と決意表明

 安倍晋三首相は米国、ジャマイカを訪問するため、羽田空港を政府専用機で出発し、米ニューヨークに26日朝(日本時間同日夜)、到着した。安倍首相は国連総会に出席し、27日夕の国連開発目標に関するサミット、29日午後の一般討論で演説する。国連創設70年を踏まえ、常任・非常任理事国の枠組み拡大など安全保障理事会改革を訴える考えだ。

 安倍首相は26日午前(日本時間同日深夜)、ブラジル、インド、ドイツの首脳と会合を開いた。安保理改革で共同歩調をとる4カ国(G4)の首脳会合で、来年秋までに具体的成果を得る決意を打ち出した共同プレス声明を採択した。

 会合で安倍首相は「本年は国連創設70周年の歴史的好機だ。安保理は21世紀の現実に合った姿に改革されなければならない」と指摘。「真の交渉開始に向け、G4として働き掛けるべきだ」とも語った。

 会合には、安倍首相のほか、ドイツのメルケル首相、ブラジルのルセフ大統領、インドのモディ首相が出席。4カ国の首脳による会合は2004年以来11年ぶり。

 声明は、05年から安保理改革に実質的進展がないことに懸念を表明。安保理改革の取り組みは期限付きで進めるべきだと訴えた。

 4カ国は、大票田のアフリカ各国や島嶼(とうしょ)国が拡大された安保理で常任・非常任理事国となるべきだとも訴え、支持の拡大を狙う。

 安倍首相は、28日にはロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土問題などを議論。29日には米国のバイデン副大統領と会談し、新安保法制や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉について意見交換する。中国の習近平国家主席との会談も調整している。

 出発前、安倍首相は羽田空港で記者団に「(国連総会で)日本は世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していくという強い意志を表明したい」と述べた。(ニューヨーク、桑原雄尚)

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