夕焼けエッセー8月月間賞

命の重さ改めて考える

 藤浦:体験はちゃんと引き継がれているんだ、と改めて感じられた作品でした。肉親が伝えれば、多くは語らなくともこんなに強く残るものなんだなぁと。文章もうまいですし。

 玉岡:祖母が幼少時、終戦を「よかった」と言ったことで、職業軍人だった父に鉈(なた)を持って追いかけられたという「堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ヒ難キヲ忍ヒ」も家族からの伝え聞きで、この2つは伝承作品として注目していました。「堪ヘ難キヲ-」の「おとぎ話を聞いたのではないか」という一文が、戦後生まれの感覚をよく表しています。

 尾垣:眉村先生のいち推しである、父が戦死してからの病気を抱えた母と妹たちとの苦しい暮らしを書いた「在天の父へ」も読み応えのある作品です。

 玉岡:お母さんの誇り高い人物像が胸を打ちました。戦死者に給付金が出なかったのも驚きです。

もう一度読んでほしい当事者の証言

 尾垣:玉岡先生推薦の「忘れられた戦災孤児」も強烈なインパクトです。

 玉岡:戦災孤児は当時無数にいたでしょうが、ご本人のお話を読めるのは大変貴重なことです。

 藤浦:「忘れられない3年間」は特攻機の赤とんぼに乗っていた方の作品です。兵士その人の証言の重みに圧倒されます。