テレビ熊本、熊本の近代養蚕業の開祖・長野濬平ドラマ化

「長野濬平〜近代養蚕業の開祖」の制作発表をするTKU関係者やドラマ出演者
「長野濬平〜近代養蚕業の開祖」の制作発表をするTKU関係者やドラマ出演者

 テレビ熊本(TKU)は25日、熊本県山鹿市出身で、明治時代に熊本の蚕糸(さんし)業の礎を築いた実業家、長野濬平(しゅんぺい)にスポットをあてたドラマ「長野濬平~近代養蚕業の開祖」の制作発表記者会見を、同市の八千代座で開いた。

 TKUが平成5年に始めた郷土の偉人を取り上げるドキュメンタリードラマのシリーズ第23作となる。

 長野濬平は江戸末期の文政6(1823)年、山鹿郡稲田郷庄村(現・山鹿市鹿本町庄)の儒医の家に生まれた。20歳の頃、思想家、横井小楠の門をたたいた。横井は農業をはじめ、実学にも造詣が深く、長野はここで養蚕に初めて触れた。その後、私塾を開くと、塾舎の周囲に桑を植えて自ら蚕を飼い、「養蚕富国論」を提唱した。

 明治2(1869)年、46歳の長野は私塾を閉じ、本格的な養蚕技術取得のため、富岡製糸場(群馬県)など先進地の視察に出た。熊本へ戻ってからは九品寺養蚕試験所設立に関わり、西日本初となる製糸機械を設置した。

 大型台風や西南戦争などの試練に遭遇しながらも、研究を重ねた。それまで蚕の飼育は毎年春だけだったが、秋にも飼育する「秋蚕(あきご)」にも成功した。明治16年、熊本市に熊本製糸会社を創立し、熊本の近代養蚕業の開祖とも呼ばれる。

 TKUは9月23~27日、企業運営の桑畑など山鹿市周辺10カ所でロケ撮影を実施、1時間15分のドラマ番組に仕上げる。

 八千代座で開かれた制作発表には、TKUの本松賢社長や長野濬平役を務める俳優の渡辺いっけい氏、ロケに協力した中嶋憲正・山鹿市長らが出席した。本松氏は「度重なる試練を不屈の精神で乗り越え、秋蚕の技術を確立した長野濬平は山鹿、熊本の誇りだ。1人でも多くの九州の人たちにドラマを見ていただきたい」と述べた。長野役を演じた渡辺氏は「私利私欲なく日本のために取り組む姿勢がセリフの端々からうかがえた。信念を持ち、コツコツやることの大切さが伝われば」と話した。

 11月1日午後4時5分~5時20分、FNS系列の九州7局で同時放送される。

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