米中首脳会談

中国、核心的利益譲らず 政界と経済界の分断狙う 中国知識人「オバマ氏は遊ばれただけ」  

 サイバー攻撃問題のほか、東・南シナ海情勢などアジア太平洋の地域安保や人権問題で譲歩を迫るオバマ氏に対し、中国の習近平国家主席は今回の訪米で、「核心的利益」に触れる部分では一切の妥協を拒む姿勢を崩さなかった。

 25日の共同記者会見では、米国のほか近隣諸国が懸念を強めるスプラトリー(中国名・南沙)の人工島建設について、「自国の領土主権と合法、正当な海洋権益がある」と述べた上で、「軍事化を図る意図はない」と主張して批判を一蹴した。

 会談直前、人工島での3千メートル級滑走路の相次ぐ完工が米側で明らかになったことを踏まえた上での発言だけに、妥協を拒む姿勢が明確に米側に伝わる結果となった。

 サイバー攻撃、人権問題でも、「対話」には応じるとしながらも、自国の権益に踏み込む部分では米側に歩み寄った形跡はみられない。オバマ氏が台湾問題で米国の関与を示す「台湾関係法」に言及したときには、厳しい表情で発言を無視した。

 米経済界に焦点を当てたシアトル(ワシントン州)訪問では、習氏の微笑とともに米中経済協力を促す温かな対応が鮮明となった。これに対して、首都ワシントンでの政治日程では、昨年11月の日中首脳会談を思わせる習氏の厳しい表情そのままに、安保問題などでかたくなな対応が目立った。

 当地の外交筋は、「西の経済、東の政治で米国を分断する狙いが読み取れる」と指摘する。小泉政権当時、日本の経済界を中国に引き寄せて政治の孤立化を図った「政冷経熱」を米国で再演する動きともとれる。

 在米の中国人知識人、程暁農氏は産経新聞に、「オバマ氏は対応を誤った」と指摘する。「(非公式協議で)個人としていくら直接訴えても、習氏を動かすことはできない。俗な言い方だが、遊ばれただけだ」とし、サイバー問題で合意した対話メカニズムの実効性に悲観的な判断を示した。(ワシントン 山本秀也)