日本スプリントの挑戦(30)

16歳・サニブラウンの驚異の飛躍を生んだ育成法とは…

 将来の伸びしろをつぶさぬよう、じっくり見守りながら、技術的な指摘は試合本番で行うのだという。「ハキームは言ったことがすぐできる。いつもは、のほほんとしているけど、スタートラインに立ってパッと集中できる。そこは外国人のようなテンションの高さがある」

 サニブラウンは予選、準決勝、決勝とラウンドを重ね、競う相手が強くなるほど潜在能力を発揮できるタイプ。本人のペースを崩さないようにしつつ、いざレースの緊迫感でスイッチが入ったときに動きと感覚を養う。例えば、「足が後ろに流れているから前でさばこう」と、端的にアドバイスを送るといった具合だ。

 この辺のさじ加減は、山村監督が2000年シドニー五輪で日本代表になるなど30歳で現役を退くまで「海外」を見続けてきた蓄積のなせる業だろう。傍らで息子の競技を見てきた明子さんが言う。

 「ピタッと来ましたね、先生と」

■セカンドベストで示した胆力と潜在能力

 世界ユースの行われたカリは標高が約1000mと高かった。決勝の20秒34は日本歴代8位の好タイムだが、平地より空気抵抗が薄い分、タイムは出やすいと言われている。

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