日本スプリントの挑戦(30)

16歳・サニブラウンの驚異の飛躍を生んだ育成法とは…

■「外国選手のように試合で作る」

 今や、日本陸連が期待の若手として強化指定する「ダイヤモンドアスリート」にも選ばれているサニブラウンだが、初めからトラックを走っていたわけではない。

 幼少の頃はサッカーをしていた。父のラティフさんはかつてサッカーをプレーしていたという。

 母の明子さんが笑って振り返る。

 「好きなことをやらせていたんですよ。でも、サッカーは向いてなかった。『俺が俺が』ってガンガンいく感じじゃなくて、『球技は楽しくやろうよ』というタイプだから。ジグザグに走るのも、そんなに得意じゃなかったんじゃないかな」

 陸上は小学3年、日大OBが指導するクラブチームで始めた。日大OBと明子さんに共通の友人がいたことが縁となった。

 本格的に走り始めたサニブラウンは城西中高に進んだ。陸上部の山村貴彦監督は、この逸材に対し、同年代の選手とは少し違ったアプローチをとった。「外国選手のように試合で作る」という指導法である。

 「やっているメニューは他の高校生と同じと考えてもらえればいいです。普段、動きの話はしないですね。練習ではしてくれない。練習は適当ですから」

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