家族 第5部 記憶色あせても(5)

「病気だからしゃあない」 変わってしまった妻戸惑い

 26年1月、美幸はそれまで約10年勤めたパート先を辞めることになった。日中、不安定な妻を家に1人残すことはできない。2人での生活は限界だった。石川県で働く三女(33)を呼び戻し、同居を始めた。そして4月、正式に「若年性アルツハイマー型認知症」と診断を受けた。

 「これは病気だから。しゃあない」。ようやく、妻の病気を受け入れられた気がした。(敬称略)

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