スズキが、長年の懸案だった独フォルクスワーゲン(VW)との業務・資本提携を解消し、晴れて独り身になった。スズキが提携契約の解除などを求めて訴訟に発展していたが、国際商業会議所国際仲裁裁判所が8月29日にスズキの訴えを大筋で認定したためだ。スズキは、莫大な投資が必要な環境・安全技術の開発で後ろ盾を失うものの、「独立」を維持する。米ゼネラル・モーターズ(GM)、VWと欧米大手との2度の離婚を経験したスズキだが、海外有名投資ファンドが出資するなど、国内外からの注目度は高い。その理由は「新興国」「小型車」の成長2分野をガッチリ手中に収めているためだ。早くも、新しいパートナーの名前が浮上しており、モテモテぶりが際立っている。
のどに挟まった小骨
スズキの鈴木修会長は8月30日、都内で開いた記者会見で、「のどに(魚の)小骨が挟まった状態だったが、すっきりした」と飄々と語った。
同裁判所は、スズキの通知で契約が2012年5月に解除されたと認め、VWが保有するスズキ株19.9%(議決権ベース)の売却を命じた。スズキは9月17日に約4300億円で株式を買い戻しを完了、保有するVW株1.5%(同)も売却する見込み。