東電、津波対応を拒否 福島第1原発事故の2年前、事故調書で判明

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、事故発生の2年前に原子力安全・保安院(当時)の審査官が、東電に津波対応の検討を求めたが、東電側が「(原子)炉を(保安院が)止めることができるのか」などと拒否していたことが25日、政府が公開した事故調査・検証委員会の「聴取結果書(調書)」で分かった。

 調書によると、保安院は平成18年9月に原発の耐震性の調査を全国の事業者に指示。審査官が21年に2回、東電の担当者を呼んで津波対策の検討状況を聞いたところ、担当者は「土木学会の検討を待つ」と返答した。

 審査官は「それでは少し遅い」と感じ、重要設備を建屋内に入れ、設備に水が入らないように防水化を提案したが、担当者は「会社として判断できない」「炉を止めることができるのか」と反発したという。

 原発事故では、想定を上回る津波が押し寄せ、非常用発電機などが水没。燃料を冷却できなくなり、放射性物質を周囲にまき散らす重大事故に陥った。

 東電広報室は「ヒアリング記録の個別の内容については、コメントを差し控える。当社は関係者への聞き取りなどを総合的に評価し事故報告書として公表している」とした。

会員限定記事会員サービス詳細