話の肖像画プレミアム

育子(75)=赤坂芸者=上京当初、おかまバーへ会話術学びに2年通って

【話の肖像画プレミアム】育子(75)=赤坂芸者=上京当初、おかまバーへ会話術学びに2年通って
【話の肖像画プレミアム】育子(75)=赤坂芸者=上京当初、おかまバーへ会話術学びに2年通って
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若い子に負けてたまるか

 〈50年以上にわたり、東京・赤坂での芸者人生を貫いてきた。最高齢の赤坂芸者としての悲願は、花街・赤坂に往事の活気を取り戻すことだ。今年も3月21、22日に行われた「赤坂をどり」には芸者衆22人が総出演し、盛況のうちに終了した〉

 お客さまが喜んでくださった拍手の音が今も耳にあります。また頑張ってやらないといけないな、と。来年の舞台に向けて、既に今からプレッシャーになっちゃうの。何千人と来てくださるのに、「面白くなかった」と思われないように、自分の踊りもみんなの踊りもプレッシャーです。お稽古してお稽古して、あの舞台を踏む。それでも百パーセントの踊りはできない。でも、指の先まで神経を張り詰めていると伝わるものがある、と思っています。

 〈53回目となった今年は「咸臨(かんりん)太鼓」の演目も取り入れた。咸臨太鼓は、一時、赤坂に住んでいたこともある勝海舟が乗った咸臨丸が出港する際に打ち鳴らされたもの。芸者衆が「船が出るぞー!」と声を上げながら太鼓をたたくと、会場が沸いた〉

 太鼓は、地元の小学校で貸していただきました。毎年、6年生が卒業するときに、船出を祝うという意味で5年生がたたくんだそうです。「船出とともに赤坂をどりも頑張るぞ」という思いを込めました。

 〈踊りの合間にはお笑いコンビ、日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」という掛け合いを取り入れ、笑いを誘う場面もあった〉

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