光通信(東京)の男性社員=当時(33)=が突然死したのは過労が原因だったとして、神戸市に住む男性の両親が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。中村哲裁判長は「恒常的な長時間労働が原因」として、労災を認定した1審大阪地裁判決を支持、国側の控訴を棄却した。
過労死の労災認定の目安は、死亡前6カ月以内の時間外労働が月平均80時間。男性のケースは同62時間で、池袋労働基準監督署が労災を認めなかった。訴訟は80時間の「過労死ライン」を下回っても労災と認められるかが焦点だった。
判決で中村裁判長は、1審に続いて死亡36カ月前までさかのぼり、勤務実態を検討。時間外労働が100時間を超える月があるなど「恒常的な長時間労働で疲労を蓄積していた」と指摘した。死亡10カ月前からは労働時間が減ったものの、クレーム対応などに従事したことから「精神的負荷も大きく、蓄積した疲労を解消できなかった」とした。