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山梨・小淵沢にデザインホテル 自然と芸術溶け合う大人のリゾート

 澄んだ空気と静かな森に囲まれた北杜市小淵沢町の複合リゾート施設「小淵沢アートヴィレッジ」に今月、デザインホテルが新たに加わった。市内の自然をモチーフにした6部屋の客室からなる「ホテルキーフォレスト北杜」。美術館やゴルフ場などで構成されるアートヴィレッジは、プライベート感あふれる上質な空間を提供する新たなホテルの開業により、自然と芸術が溶け合う「大人のリゾート」としての魅力が増した。(頼永博朗)

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 ◆美術館に隣接

 ホテルキーフォレスト北杜があるのは標高約1千メートルの高原。1980年代の米ニューヨークで活躍したストリートアートの先駆者、キース・ヘリングの作品のみを収蔵する世界唯一の美術館「中村キース・ヘリング美術館」の隣に位置する。

 ホテルのコンセプトは「自適に過ごす大人のリゾートカルチャーの象徴」。設計は、同美術館も手がけた長野県出身の建築家、北川原温(きたがわら・あつし)さんが担った。建物は鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積は約1千平方メートル。パーティースペースを備えた屋上からは、八ケ岳や南アルプス、富士山を望むことができる。

 客室があるのは2、3階。6部屋の各面積は約70平方メートルで、それぞれ北杜市内の自然として「水」「土」「森」「太陽」「風」「山」をテーマに、家具や照明器具、浴室などの形や色合い、素材が異なる造りとなっている。

 ◆230種のウイスキー

 宿泊客以外も楽しめるのが、1階に設けられたバー「中村ウイスキーサルーン」。ホテルのオーナーで同美術館館長でもある甲府市出身の中村和男さん(シミックホールディングスCEO=最高経営責任者)の個人コレクションである約230種類の年代物ウイスキーが並び、一部を提供する。

 小淵沢アートヴィレッジは、ホテルと美術館の周囲にゴルフ場やスパ、レストラン、ロッジなどが点在。乗馬や陶芸、釣り、フットサル、テニス、戦国時代の武田信玄が造ったとされる軍用道路「棒道」のハイキングなど各種アクティビティーを用意している。

 ホテルは海外からの利用客も見込み、スタッフの半数にあたる5人に外国人を配置。運営する小淵沢アートヴィレッジリゾート&スパの大岡育男総支配人は「ホテルは美術館とともに施設の中核。豊かな自然をゆったりと楽しんでもらえるよう上質なサービスに努めたい」と話している。

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 ■ホテルキーフォレスト北杜

 今月1日オープン。開業記念特別料金(2人利用の室料)として10月末までの休前日6万4800円、休前日以外5万4000円(11月以降、季節による変動あり)。中央自動車道小淵沢インターチェンジ、JR中央線小淵沢駅から車で8分程度。山梨県北杜市小淵沢町10248の16、(電)0551・36・8755。

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