累犯障害者 特別対談

「犯罪」に追い込まぬために…「特別な人」と考えず、早期の福祉サポートを 山本譲司氏と村木厚子氏が語る現状と課題

【累犯障害者 特別対談】「犯罪」に追い込まぬために…「特別な人」と考えず、早期の福祉サポートを 山本譲司氏と村木厚子氏が語る現状と課題
【累犯障害者 特別対談】「犯罪」に追い込まぬために…「特別な人」と考えず、早期の福祉サポートを 山本譲司氏と村木厚子氏が語る現状と課題
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 軽微な犯罪を繰り返し、刑務所と実社会を行き来する知的障害者を累犯障害者と呼ぶ。刑罰と福祉に加え、地域や住民は累犯障害者にどう向き合うべきか。同名の著書で知られる元衆院議員、山本譲司氏と、障害者福祉をライフワークとする厚生労働省事務次官、村木厚子氏に、対談を通じて現状や課題を語ってもらった。(聞き手 小野木康雄、池田進一)

福祉が出所者拒絶も?

 --累犯障害者の現状をどうみるか

 村木 特定の1人に寄り添うという福祉では当然の支援が、司法の場や、福祉と司法にまたがる所でできていない。集団管理が基本の矯正施設では個別の支援が困難。福祉サイドにも出所者への一種の拒絶反応というか、「私たちは専門じゃないから無理です」という最初からあきらめがある。

 山本 司法と福祉は、一見同じことをやっているように見えても、目指すところは、かたや再犯防止とかたや生き直しなんですね。カルチャーや用語の違いもあって、齟齬が生じているように見える。

 ただ、この問題に先駆的な長崎県の社会福祉法人「南高愛隣会」が取り組みを始めた平成18年からでも10年たっていない。障害者が出所後に必要な福祉サービスを受けられるよう調整する地域生活定着支援センターが各都道府県にできたこと自体隔世の感がある。

 村木 何もないところからセンターが全都道府県にでき、少しずつ人員を増やすなど、地域ごとに差はあるが、それなりによくはなってきた。福祉側から言えば、累犯障害者への支援は最も力量のいるサービス。センターは福祉施設のコーディネートが中心なので、センターだけがんばっても、最後に受け皿となる福祉施設が必要です。地域に合ったやり方を探さないと。

 山本 一方で司法側は、矯正施設のトップの権限が強く、トップが替われば教育内容も変わる。精神論でやっているところもあるかと思えば、臨床心理学的手法や海外のケースを取り入れる施設もある。国全体のメソッド(方法)が構築されておらず、もったいない。福祉の現場でも共有して使ってほしい。

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