調布市、改正墓地条例が可決 5年以上の活動実績など追加 東京

 ■住宅街の納骨堂をめぐるトラブル防止へ

 住宅街に建てられる納骨堂をめぐるトラブルを防ごうと、調布市議会は24日、「墓地等の経営の許可等に関する条例」の一部を改正する条例案を可決した。改正した条例には納骨堂の設置場所での5年以上の礼拝活動の実績などが新たに盛り込まれた。

 納骨堂は、交通アクセスの良い立地条件などを理由に、都会に住む人を中心に新たなお墓のスタイルとして定着しつつある。しかし、住宅街の空きビルなどを利用した納骨堂の建設計画をめぐり、住民とトラブルになるケースもある。

 市はそんなトラブルを防ぐため、条例改正に着手。従来の条例では礼拝施設があれば納骨堂の設置が可能だったが、5年以上の礼拝活動の実績がある施設を納骨堂の適合基準に加えたほか、構造設置基準として、駐車場の設置などを加えた。

 市の担当者は「墓地ばかりではなく、納骨堂の設置形態も変化している。時代の変化に順応した条例改正も今後の議会の課題としてとらえ、条例の改正検討を強く求めた」とした。

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 ◆「適用されず悔しい」「歯止めになれば」住民からは不満と期待

 調布市が「墓地条例」を改正した背景には、同市調布ケ丘の住宅街のオフィスビルに設置が予定されている納骨堂をめぐるトラブルがある。条例改正にも、住民からは発端となった納骨堂が条例の適用外となることへの不満や、同様のトラブルを防ぐきっかけとなることへの期待の声が聞こえた。

 同市調布ケ丘の住宅街にあるオフィスビルを納骨堂にする計画が浮上したのは昨年末。突如として出た納骨堂設置計画に、住民側は地区のイメージ低下への懸念などから、計画の廃止を事業者側に求めている。

 市はこの問題を受け、条例改正に乗り出し、多摩26市では初となる納骨堂の設置において宗教法人としての活動実績の文言を条例に盛り込んだ。だが、市が動き出した際にはすでに事業者側が設置計画の事前相談を市にしていたため、条例の適用外となる。

 申請予定者は、市内の寺の住職で、申請手続きの代理人を務める設計会社の担当者は「納骨堂では葬儀はせず、目隠しで中を見せないようにするなど住民側に譲歩はしている」と話した。

 40代の主婦は「条例改正の発端となったのに、適用されないのは悔しい」。

 近くに住む男性は「すでに進んでいる話を駄目というのは難しいが、条例が同じような問題が起きたときの歯止めになれば」と話した。

 都内で納骨堂を運営する寺の関係者は「予定地での宗教活動の実績があればいいが、いきなり設置となると理解を得るのは難しい。事業者は住民の不安を、きちんと消すことが必要だ」と指摘した。